「お客様ひとりひとりを大切に」というコンセプトのもと、お客様のために徹底的に考え抜いた設計力と独自のデザイン、熟練の職人たちによる高品質な工事を得意とするハヤマホーム。代表・久保田の庭づくりへの思いをお話させていただきました。
ハヤマホームは、土地の境界線から始まり駐車場、お庭の目隠しフェンス、玄関周りのアプローチ、門柱など、外回り全般を得意とする外構・エクステリアのリフォーム工事会社です。昭和10年に創業者である山口喜代一が左官業をメインとした「山口工務店」を設立し、昭和62年には息子の山口昭が左官工事・外構工事を事業とした「波山工業」を設立しました。平成19年に「波山工業」から分岐し、個人宅の外構・エクステリア工事を専門とする「ハヤマホーム」を設立。先代社長から引き継ぎ、私がハヤマホーム3代目社長を務めています。
以前はシステムエンジニアとして企業に勤めていました。転職のため仕事を辞めたタイミングで、妻(当時は結婚前提にお付き合いをしていた)の父でありハヤマホームの先代社長から、「うちの会社を手伝わないか」と声をかけていただいたんです。転職活動中とはいえ当時はただの無職の男(笑)。予定もないし体も空いていたので、「じゃ行ってみようかな」というほんの軽い気持ちで仕事を手伝い始めました。
手伝うといっても、経験がないので何もできません。物を運ぶ作業や掃除からはじまり、「あそこを掘っておけ」と言われればスコップを持って穴を掘り、「セメント練っとけ」と言われればセメントをひたすらねりねりしたりと最初は地味な作業ばかり手伝っていたのですが、そのうちにどんどん楽しくなってきたんですよね。
システムエンジニアの頃は窓もなく太陽の光の当たらない“データセンター”と呼ばれる閉鎖的な空間で長時間仕事をすることも多く、今思えば精神に堪えていたんでしょうね。セキュリティの観点から携帯電話も持ち込めないので人と会話することもなく、日中から仕事を始めて外に出たらまだ明るいから「早く帰れた!」って喜んだら翌日の朝だった……ということもしばしば。それがこの仕事を始めてからは、毎日早起きして日の光を浴びて、汗をかいて体を動かして。体力的にはかなりキツかったけれど、お客様から「頑張ってるね」「ありがとう」って声をかけてもらうこともあって。
健康的で人間らしい生活と、人の役に立っていることをダイレクトに実感できる環境。これが私にはとても合っていたんだと思います。
ハヤマホームの強みは、「心底考える設計力」です。お客様のことを心底考え尽くしたご提案をするというところでは他の誰にも負けません。
更地からスタートする新築外構とは異なり、リフォーム工事は元々あるものをベースに必要な部分だけを壊して作り直す工事なので、新しく作るものが元々の場所にあるものと馴染むか、整合性が取れるかが重要です。
水たまりができないよう、雨が降った時にどのように水を排水させるかを考えて勾配(角度)をとるのですが、お庭にテーブルや椅子を置いて過ごされることを想定すると角度がキツすぎてはいけないし、駐車場の場合はアクセルを踏み込まずブレーキ離すだけでゆっくり進むくらいの角度が理想。日々の天候だけでなく災害による影響も考慮し、スムーズに水が排水されるよう数センチ、数ミリ単位で緻密に計算しています。
現状がどのような状態かを徹底的に調査し、不具合が出ない状態に作り直すのが私たちの仕事ですが、ときどき予想もしないような現場に出くわすこともあります。
ある現場でのこと、職人が「危ない!逃げろ!」と叫んだので慌ててその場を離れたら、ブロック塀が真横にバターン!と倒れてきたんです。原因は、古いブロック塀に鉄筋が入っておらず強度が不十分だったこと。幸い怪我人は出ませんでしたが、「今までよく持っていたな」と思わず冷や汗をかくような杜撰な工事を目にすることは少なくありません。
お客様には状況をきちんとご説明し、場合によっては追加工事が必要になるのですが、やはりショックを隠せず、お気を悪くされる方もいらっしゃいます。当然ですよね、安全に作ってもらったと信じて今まで使ってこられたお客様にとって、どんなに悲しいか……。
こうした現場はできれば見たくないし、お客様に悲しい思いをしてほしくない。だからこそ、安全で長く使っていただける誠実な工事をする責任があると思っています。
お客様との打ち合わせに2時間程度と、他社様よりもかなり長い時間をかけてじっくりお話を伺っています。
漠然と「ウッドデッキが欲しいんです」とおっしゃるお客様も多いのですが、「ウッドデッキで何をされたいのですか?」と伺うと、「バーベキューがしたいと思っています」と返ってくるんです。実は、天然木もしくは人工木でできているウッドデッキは、火種がポトンと落ちると燃えてしまうおそれや、油や焼肉のタレが落ちて染み込むと取れなくなり掃除が困難だったりと、バーベキューに向いているとは言えないんです。お客様の思いをどんどん掘り下げていき、「タイルなら火が落ちても燃えないし汚れも取れやすいですよ」などとお伝えすると、最終的には当初のご希望と異なる選択をされることも。お客様が本当に求めておられたのはウッドデッキではなく、“家族みんなでバーベキューをしながら楽しく過ごせるスペース”だったんですよね。
潜在的なニーズを汲み取れていないのに「そろそろ時間ですので」「次のお客様がこられますので」といは言いたくない。なにより、「こうしとけばよかった」とお客様に後悔していただきたくない。
お客様の夢、不安、疑問、お庭作りへの思いを全部出し切っていただき、10年後、20年後の将来まで見越して、現時点でお客様にとって本当にベストなものを提案したいと思っています。
ハヤマホームでは、エクステリアデザイナーである私が商業施設やホテルを中心とした建物からインスピレーションを得てデザインしています。建物の外観だけでなく、内装やインテリアもデザインのヒントにしているので、休みの日は仕事とプライベートを兼ねて日本中の建築物を見て回っています。
たとえば、庭師の経験がある方はお庭全体のデザインから外構全体をデザインされますし、植木屋さんは植物を中心に、石工さん(石の職人)は石を主体にデザインされるなどデザインのルーツはデザイナーによってそれぞれ異なるそうですが、そもそも私は外構ではないものからヒントを得ているので、イレギュラーなデザイナーかもしれませんね。
今でこそ私の難しい要求にも快く対応してくれる職人たちですが、はじめのうちは「こんなもん、どうやって作るんや!」とたくさん怒られましたよ。弊社の職人は、単なる自社職人ではなく、初代や先代社長の技術を受け継ぎ、自らも技術を磨いて神戸市優秀技能者賞を受賞している熟練の職人たちなので、技術的に不可能ではないのですが、私がお願いするのは手間も時間のかかる難しい工事なので職人たちはみな嫌がります(笑)
ただ、先代社長が「アイデアがあるならまず持って来い。できるかどうかはあとで考えたらいい!」と言ってくれる方で、私もお客様のために妥協したデザインはしたくなかったので、どうにか実現できないかとお願いし続けました。そのうち、「こうしたらできるんじゃないですかね?」と解決策まで準備して提案すると、職人たちも「なるほど、やってみようか」と受け入れてくれるようになりました。現場での経験がここで活きましたね。
外でご飯を食べたりコーヒーを飲んだりするのって、屋内では味わえない空気感があってとても楽しいんですよね。海外のカフェやレストランではオープンテラスの席は一般的で、むしろテラス席の方ほうが屋内よりも料金が高いことも。それだけ屋外空間は価値のあるものなのですが、日本ではその心地よさがまだまだ知られていません。
将来的には、お庭で過ごす楽しさ、心地よさを、お庭作りをはじめる前にご家族で味わってもらえるような体験施設を作りたいなと思っています。
実際にお庭での過ごし方を体験していただき、楽しい!心地いい!と思える過ごし方がイメージできたら、ご自宅の庭で再現できるようにプラン作りに進む。そこからはじめれば、お客様が本当にしたいことが明確になって、心から「作ってよかった!」と思えるお庭が実現できると思うんです。